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Sunday, May 3, 2020

ひと ゆめ みらい>伝える、農業の楽しさ 有機栽培で「あした農場」営む・渡辺恒雄さん(48)=町田市:東京(TOKYO Web) - 東京新聞

あした農場で羊にえさをやる渡辺さん=町田市で

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 町田市の北部丘陵。くねくねと続く山道を進むと、「メー」と羊の鳴き声が聞こえた。草をはむ馬もいる。ここは東京かと見まがう里山に広がるのが「あした農場」だ。循環型農業を目指して妻と新規就農し、農薬や化学肥料を使わずに野菜を育てて七年。「訪れる人に農業の楽しさを伝えたい」と笑う。

 茨城県牛久市出身。都内で編集者をしていた三十代のころ、広告の仕事で「自分が宣伝を手掛けているのに、本当に良いものなのか分からない」との疑問が膨らんだ。自らが納得して作ったものを売りたいとの思いが強まり、農業を志した。二〇一〇年のことだ。

 実家近くの同県石岡市の農家に師事し、独立を目前にした一一年に東日本大震災が起きた。東京電力福島第一原発事故による風評被害で県内産の野菜は販売不振に陥り、地元での就農を断念。派遣社員の仕事をしながら、適地がないか検討している時に、町田市で遊休農地の貸借をあっせんしていることを知り、一三年に移り住んだ。

 しかし、遊休地だけに土地は荒れ、多難な船出だった。開墾から始め、木の根を取り除き、重機で平らにした。それでも最初は野菜の出来が思わしくなく「土地が悪いのか、自分の技術不足か」悩んだ。一三年は台風の襲来が相次ぎ、手入れした土が流出する被害にも遭った。

 野菜づくりが軌道に乗り、ようやく収支が合い始めたのは最近だ。現在は一ヘクタールの農地で、年間を通じて伝統野菜のノラボウナをはじめキュウリ、ニンジン、小松菜、コカブ、コメ、小麦など約五十種を栽培。市内や近隣の顧客に配達し、安心安全の地元産にこだわる店にも出荷する。朝採りを届けるので鮮度がよく「味がいい」と評判を呼んでいる。

 農作業を手伝う援農ボランティアや、家族連れらの農業体験の受け入れにも力を入れる。もともと「みんなが見て、触れられる農場にしたい」と考えていたため、都心に近い立地は好都合だった。馬と羊を飼育しているのも、多くの人を呼び込みたいとの思いから。野菜の購入者らを含め、年間で延べ約千人が訪れるようになったが「もっと来てほしい」と願う。

 地元のJAや町会には積極的に顔を出す。小学校にしめ飾り作りを教えに行ったり、中学生の職場体験を受け入れたりと、地域に溶け込む努力を続ける。「ここでずっと農業をしたいから」(松村裕子)

<あした農場> 町田市小野路町。鶴川駅、多摩センター駅から出ている路線バスに乗り「小野路」下車。徒歩5分。5〜11月は日曜午前、農場で野菜を販売する。援農ボランティアは随時募集。詳細は「あした農場」のフェイスブックへ。

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