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Friday, March 6, 2020

プラン実質化へ準備着々 農委会一丸、各種調査に力 福島・いわき市農業委員会 – 全国農業新聞 - 全国農業新聞

2020年3月6日

 福島県の太平洋側最南端にあるいわき市。総面積は約1232平方キロ、農地面積は約1万2千ヘクタールと広大だ。同市農業委員会(農業委員24人、農地利用最適化推進委員32人)では、人・農地プランの話し合いの基礎資料の整備に向け、利用状況調査や利用意向調査など各種調査に力を入れている。

「どの集落にも魅力・特色はあるはず」と草野会長
地図を示し現状を語る草野会長

 草野庄一会長(72)の地元の福岡集落には遊休農地がない。これは草野会長が手づくりの地図を使って住民に現状を説明しながら話し合いを続けてきた成果だ。
 中山間直接支払制度などを活用し、全住民が協力して農地の維持・管理をしている他、集落活動の先進地である西会津町や千葉県鴨川市で視察研修し、活動の活性化を目指している。「ここまでくるのに約5年。地図などのデータを見せながら話すのが有効だった」と草野会長は言う。
 地域での話し合いに活用するため、農業委員会では農地の利用状況のデータ化や地図化に力を入れている。中でも重要視しているのが地図上での見える化だ。単に「地域の将来が危うい」と言うよりも地図で地域農業の現状と未来の姿を示すほうが分かりやすく、説得力もある。
 各種調査に力を入れるようになったきっかけは、新体制で総委員数が増えたこと。これまでよりも充実した調査ができるようになった。さらに本年度からは事務局に「農地調査係」をつくり、利用状況調査、利用意向調査などの体制も強化している。

 人・農地プランについて草野会長は、「地域づくりの延長線上にあるべきものだ。いかに地域の魅力を引き出していくかを住民と関係機関が一緒になって考えていかなければならない」と語る。市内には、温暖な海沿いの平場から冬には積雪のある中山間地まで、さまざまな条件の集落があるため、地域づくりの形もさまざまだ。
 近年、同市では農業従事者の高齢化などにより、急激に農村環境を維持するのが難しくなってきている。数年前は人・農地プランの説明をしても耳を貸さなかった人も危機感を持つようになったという。
 こういった農業者と話し合いの際に不可欠なのが農業委員会の調査したデータだ。「あの時やっておいてよかったと思える仕事をしたい」と語る草野会長は、地域の将来のためになる調査にやりがいを感じている。

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