
日本海に浮かぶ新潟県・佐渡島は10年前、国連食糧農業機関の世界農業遺産に先進国で初めて認定された。特別天然記念物トキと共生できる、環境に優しい農法を次の世代に受け継ごうと、島の内外に応援の輪が広がっている。
5月下旬。佐渡島では、自分で育てた苗などを泥まみれになって植える子どもたちの姿が見られる。米づくりを通して生物多様性や環境について学ぶ「佐渡Kids生きもの調査隊」だ。草取り、生きもの調査、稲刈りと活動は1年中続く。
調査隊は、環境保護の要件を満たす方法で栽培した米「朱鷺(とき)と暮らす郷(さと)」の認証制度と同時に始まり、佐渡市が一般社団法人「佐渡生きもの語り研究所」に運営を委託している。市によると、参加した子どもは昨年までに延べ402人。中にはその後、市の農業政策課で就業体験をした学生もいた。
調査隊の活動は、田んぼに入る機会の減った子どもに体験の場をつくる狙いもある。研究所の理事長で山形県出身の仲川純子(64)は、高校教師の夫の故郷、佐渡に移住して子どもを育てた。市内のトキの森公園に勤めた縁で特別天然記念物トキの保護活動に加わり、2002年にボランティアグループ「トキどき応援団」を始めた。
「島の子どもたちは島外に進学したり、就職したりすると、佐渡出身であることを恥ずかしく思う傾向がありました。トキが生息している環境を誇りに思ってほしかった」と仲川はいう。
トキの森公園がある新穂地区には、住民約40人でつくる「潟上水辺の会」がある。ビオトープ(人工えさ場)を整備するボランティア活動を続けてきた。
代表世話人の板垣徹(77)はJA佐渡の元理事長。農薬や化学肥料を減らす農法の普及に努めた。「トキの野生復帰事業について、当初は島民の中に冷めた見方もあったが、自然の中への放鳥と『朱鷺と暮らす郷』の認証制度ができて意識は変わりました」
応援団は島の外にも広がっている。
農林水産省は今年、「みどりの食料システム戦略」を発表し、農薬や化学肥料の低減、有機農業拡大などの政策目標を打ち出した。世界農業遺産の認定から10年、佐渡島が続けてきた農業に追い風が吹くのだろうか。
希望の一端は、小佐渡山地の急斜面に並ぶ棚田「小倉(おぐら)千枚田」でも見られる。開拓は江戸時代。島の棚田の象徴とされながら耕作放棄地となっていた状況を見かね、県と市、NPO法人トキの島(佐々木秀昭代表)などが08年に復活させ、環境保全活動「Team ECO」に取り組むUX新潟テレビ21(新潟市)も支援した。
ユニークなのは棚田保全のためのオーナー制度だ。農作業は市内の農家らでつくる管理組合が担い、オーナーには減農薬で栽培された佐渡米30キロが送られる。年会費2万8千円。田植えや稲刈り体験もできるとあって、県内や関東など全国から応募が絶えず、今年も63区画が満員となった。棚田にはオーナーの名札が並び、実った稲穂が山肌を埋める。そこに、「生きものを育む農業」の可能性を示す風景が見える。(敬称略)(古西洋)
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September 19, 2021 at 09:00AM
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世界が認めた農業を次世代に 佐渡に広がる応援団 - 朝日新聞デジタル
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