福島県二本松市に移住した農業従事者ら二人を招いたトークイベントが国立市であった。「福島に暮らす−移り住み、有機農業を営み、仲間と夢を紡ぎ、原発に抗(あらが)う−」と題し、東京電力福島第一原発の事故後も福島を離れず、農業や観光業に取り組んできた経験を語り、約四十人が耳を傾けた。 (竹谷直子)
イベントは、福島県との交流を続ける市民団体「福島とつながる種まきプロジェクトネットワーク」(国立市)が十一日に開催。二本松市で有機農業を営む関元弘さん(50)と民宿を経営する仲里忍さん(48)が講演した。関さんは元農水官僚で十五年前に移住。仲里さんは沖縄県から移住して十三年目を迎える。
関さんは原発事故後、風評で首都圏の販売先が保てなくなった。「『福島産イコール駄目』になってしまい、苦しいと思うこともあった」と振り返った。現在は地元の販路を開拓し、首都圏への販売も回復しつつあるという。「福島の人と縁があって移住した。原発事故後もここで頑張ろうと思った。事故を受け、自然の循環を自分で作り出していきたい」と話した。
仲里さんはリモートで参加し「周りの人に守られてやれてきた。離れたいと思ったことはない」と明言。助け合いを大切にする地元の魅力を語った。
イベントの冒頭では、同団体の福島県視察時の映像を上映。放射線量が高く線量計の音が鳴り響く映像や地元農家が農産物の価格低下について話す様子を紹介した。同団体は二〇一一年に発足し、福島と東京の子どもたちの交流会を開いたり、被災地訪問を企画したりしている。
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